エプスタイン事件、大陪審証言の公開請求は「政治闘争」 被害者が非難

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フロリダ州の法廷に入るエプスタイン元被告(左)を捉えた2008年の写真/Uma Sanghvi/Palm Beach Post/USA Today Network/Imagn Images/File

フロリダ州の法廷に入るエプスタイン元被告(左)を捉えた2008年の写真/Uma Sanghvi/Palm Beach Post/USA Today Network/Imagn Images/File

(CNN) 性犯罪で起訴され拘置所で死亡した米富豪、ジェフリー・エプスタイン元被告による虐待の被害者2人が、裁判所に提出した書簡の中で司法省による大陪審証言の公開請求を非難した。トランプ大統領とその政権が自分たちへの敬意を欠いているとの見方にも言及した。

4日に提出された書簡の中で、被害者2人は共に匿名となっている。このうちの一人は、いわゆるエプスタイン文書に関する最近の対応を「政治闘争」だと主張する。

この被害者は、国がエプスタイン文書全体を扱う上で、被害者に対してもっと敬意を払うべきだったと指摘。「私はあなた方の政治闘争の駒ではない」と訴えた。

その上で、「あなた方がこれまでしてきたこと、そして今もし続けていることは日々私を苦しめる。それはこの物語をいつまでも永続させようとする行為だからだ」と綴(つづ)った。

別の被害者は、「富裕層」の保護のみが優先されていると主張した。

「司法省とFBI(連邦捜査局)の優先事項は、『第三者』である富裕層を守ることだと感じる。彼らの名前を必死で文書から消そうとしているが、被害者は『彼らが誰かを知っている』」

見たところどちらの書簡も、ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁のリチャード・バーマン判事に対し、記録を非公開にするよう求める内容ではない。ただ被害者の身元を隠すために必要なあらゆる予防措置を講じるよう強く要求している。

被害者の一人は、被害者に関する情報が漏洩(ろうえい)しないよう、第三者による文書公開の審査を提案した。もう一人の被害者は、被害者の身元に関するいかなる情報も削除されることが「最優先事項」だと判事に伝えた。

裁判官に提出された感情のこもったこれらの書簡は2通とも、政府による文書の取り扱いに対する不満をあらわにしていた。

この事件の被害者たちは、8月5日までに政府の大陪審記録公開請求に返答するよう求められた。

エプスタイン文書の公開を求める声はここ数カ月でますます高まっており、トランプ政権にとっては問題が山積している。

司法省とFBIは、エプスタイン事件の捜査に関連する文書をどのように公開するかについて数カ月苦慮してきた。捜査に関わった被害者や証人を保護するため、これらの文書は大幅な編集を必要としている。

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