米当局、J&J製ワクチン接種の一時停止を勧告 血栓の報告受け

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J&J製ワクチンがアデノウイルスベクターワクチンであることと血栓の関係も指摘されている/Michael M. Santiago/Getty Images

J&J製ワクチンがアデノウイルスベクターワクチンであることと血栓の関係も指摘されている/Michael M. Santiago/Getty Images

米エモリー大学医学部のカルロス・デルリオ博士は約100万回の接種で1回のまれな現象で、臨床試験では数百万人を対象としないためわからなかっただろうと指摘。CDCとFDAの素早い対応を評価し「ワクチンの安全性は常に優先事項だ」と述べた。

同氏はさらに、血栓はJ&J製ワクチンがアデノウイルスベクターワクチンであることと関係があるかもしれないと述べた。アストラゼネカ製ワクチンと同じタイプとなる。

アストラゼネカ製ワクチンは米国では使用されていないが、世界70カ国で許可されている。欧州医薬品庁(EMA)は、血小板減少を伴うめずらしい血栓症を同ワクチンの「きわめてまれな副反応」として掲載すべきと結論付けた。ただ、規制当局は接種の利益がリスクを上回ると述べている。

米国で緊急使用許可が出ているファイザー製とモデルナ製のワクチンはmRNAワクチンで、異なるタイプのものとなる。

FDA生物製剤評価研究センターのピーター・マークス所長も、J&J製ワクチンで見られる症例がアストラゼネカ製ワクチンで見られるものと非常に似ているように見えると発言。はっきりとした原因はわからないものの、可能性のある要因として、他のアデノウイルスベクターワクチンでも見られる可能性がある同じメカニズムがあるかもしれないと述べた。「一部の人のワクチン接種後に起きるきわめてまれな免疫反応で、免疫反応が血小板の活性化につながり、きわめてまれな血栓につながる」としている。

当局は副反応に対する独特の治療法について、医療関係者に理解を促している。マーク氏は、今回のタイプの血栓は、血栓への対応で医師が学ぶ標準的な治療法では大きな害が及ぶ可能性があると発言。「脳静脈洞血栓症では(血液抗凝固剤の)ヘパリンは危険となるだろう。代替的な治療法の実施が必要で、血栓治療に経験の深い医師の指示のもとに行うのが望ましい」と述べた。

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