ヨルダン川西岸で治安部隊を襲撃、イスラエル軍が入植者6人を拘束
(CNN) イスラエル軍(IDF)は29日までに、占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で治安部隊を襲撃したとして入植者6人を拘束したと発表した。
IDFによると、パレスチナ自治区のカフル・マリク村近くの立ち入り禁止の軍事地域に向かうイスラエルの民間人が運転する車両を発見した。この村では数日前、入植者が家屋や車両に放火し、パレスチナ当局によれば3人が死亡した。
兵士が接近すると、集団は隊員を殴るなどしたほか暴言を浴びせ、軍用車両を損壊。さらに車をぶつけようと試みたという。
予備調査では、IDFが威嚇射撃として空に3発を放ったが、市民に向けて実弾は発射しなかった。拘束された6人は警察に引き渡された。
IDFは声明で、軍と警察は治安部隊へのいかなる暴力行為も容認せず、市民保護の任務に当たる隊員を害そうとする試みに対し断固とした措置を取ると述べた。
入植者による治安部隊への襲撃をめぐっては、ほとんどのイスラエル政界関係者が暴力を非難している。ネタニヤフ首相は、襲撃犯を法の裁きにかけるべきだと述べ、「彼らは法を尊重する大多数の入植者を代表しない少数派にすぎない」と強調した。
野党指導者ヤイル・ラピド氏はSNSで、「この困難な時期にイスラエルの安全を守っている軍の兵士を攻撃する過激派は我々の敵を支援する危険な犯罪者だ」と述べた。
イスラエルのカッツ国防相は、暴力に関与した者を直ちに特定し法の下で裁くよう捜査当局に求めた。
パレスチナ自治政府の報道官は27日、通信社WAFAに対し、入植者の攻撃はヨルダン川西岸をより大きな対立に引きずりこもうとするイスラエルの「過激派右翼政府」による計画の一部だと述べた。同報道官は「血なまぐさい侵略の結果」に対する責任は全てイスラエルにあると指摘した。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区での地上作戦やイランとその代理勢力に対する攻撃と並行して、ヨルダン川西岸地区での軍事作戦を強化している。