絶対の機密保持を目指して――オバマ大統領のブラックベリーを作った男
ニューヨーク(CNNMoney) 米国家安全保障局(NSA)がオバマ大統領専用スマートフォンの製造を依頼されたのは2008年のことだった。
開発を手掛けたNSAの元技術部長リチャード・ジョージ氏は、「皆、本当に大変だった」と当時を振り返る。大統領用のスマートフォンには絶対の機密保持が求められるためだ。
オバマ大統領の要請を受けたNSAは研究室を設立。数十人の専門家が集まり数カ月にわたって改良を重ねた。端末の内部に手を加え、通信の安全を脅かす要素をすべて取り除く作業を行った。ジョージ氏は、アルゴリズムの検査や端末の設計などを手掛けた。
この結果、大統領専用のブラックベリーは実に味気ないものになった。例えば、人気の携帯端末向けゲーム「アングリーバード」はプレーできない。機能を極力そぎ落とし、少しでも情報漏れの危険のある機能もすべて排除したためだ。
ジョージ氏によると、オバマ大統領は、側近と連絡を取る手段として携帯電話を欲しがったようだ。同大統領が「ブラックベリー中毒」であるのは周知の事実だったが、スマートフォンモデルにすることを選択したのはNSAのほうだという。