絶対の機密保持を目指して――オバマ大統領のブラックベリーを作った男

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大統領の端末がハッキングされるわけにはいかず、開発には多くの労力が必要だった

大統領の端末がハッキングされるわけにはいかず、開発には多くの労力が必要だった

こうして完成した大統領専用スマートフォンがどのような機能を持っているのか、正確なところは秘密にされている。テキストメッセージや電子メールを送ることが可能かどうかさえ、NSAでは明らかにしてない。

当時、大統領がみずからの端末を通じて直接に連絡を取ることができた電話は、わずか10台。それでも、開発は楽ではなかった。

通信を秘匿化するため、電話の受け手とかけ手の側で同一の暗号化アルゴリズムを共有するか、ゲートウェイを利用して通信をいったん暗号化したあと解読する必要があったからだ。比喩的にいえば、同一の秘密の言語によって電話同士がやり取りするか、あいだに一種の翻訳者を介在させなければならなかった。

モバイル端末自体は2008年以前から存在していた。だが、仮に当時の各国の首相がスマートフォンを持っていたとしても、ポケットに入るような小型の端末ではなかっただろうというのがジョージ氏の推測だ。同氏は「まるでレンガのよう」だったのではないかという。

ジョージ・W・ブッシュ前大統領やクリントン元大統領も専用携帯電話を持っていたかもしれないが、やはり重い大型端末であった可能性が高く、自分で実際に携帯していたとは想像しがたい。

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