特定の宗教に属さない米国人増加、ネット利用と関係?

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(CNN) 米国で特定の宗教に属さない人が増えたことが、各種世論調査で判明している。米オーリン工科大学の研究者は、この現象とインターネットとの関連を指摘する論文を発表した。

同大のコンピューター科学者アレン・ダウニー氏によると、米国の大学1年生を対象とした調査では、どの宗教にも属さないと答える学生が1985年の8%から25%にまで増えた。

米国人一般を対象とした別の調査では、特定の宗教に属さない米国人は1990年の8%から2010年は18%に増加。世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの12年の調査でも、米国の成人の5人に1人、30歳未満では3人に1人が宗教を持たないと答えた。

ダウニー氏はインターネット利用のほか、教育や宗教的なしつけ、住んでいる地域、収入など宗教心に影響を与えそうな要素を含めて分析を実施。その結果、1週間に数時間インターネットを使う人は、特定の宗教に属している確率が2%ほど低いことが判明。1週間のネット利用が7時間以上になると、さらに3%減ることが分かった。

ただ、ネット利用が特定の宗教に属する人々の減少に影響する度合いは、全体の2割にとどまる。残り8割のうち「世代の違い」が5割、宗教的しつけの減少が25%、大学教育が5%を説明するという。

ダウニー氏は今回の分析は因果関係を調べたものではないと前置きした上で、「インターネットは均質な環境で育った人に新しい考え方をもたらし、疑問を持つ人には同じような思考の人を世界中から見つける機会を与える」と語り、ネット利用の促進が特定の宗教に属する人々の減少につながる可能性を示唆した。

ただし、特定の宗教に属していないからといって宗教的なものを信じる心がないわけではないようだ。ピューによると、特定の宗教には属していなくても、宗教心はあると答えた人が多数を占めているという。

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