イラン核施設、数カ月以内にウラン濃縮活動再開の可能性も IAEA事務局長

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国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長/Elisabeth Mandl/Reuters/File

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長/Elisabeth Mandl/Reuters/File

(CNN) 国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、米国が実施したイラン核施設への攻撃をめぐり、攻撃はイランの核計画を完全に破壊したわけではなく、イランは「数カ月」以内にもウラン濃縮活動を再開する可能性があるとの見方を示した。

グロッシ氏の発言は、米国による攻撃がイランの核計画の中枢部分を破壊できず、影響は「数カ月程度」にとどまるとする米国防情報局(DIA)の初期評価を裏付ける形となった。軍や情報機関による最終的な評価はまだまとまっていない。一方、トランプ米大統領は繰り返し、イランの核計画を「完全に壊滅させた」と発言している。

今月初めにイスラエルがイランの核兵器開発阻止を名目に前例のない攻撃を行ったことをきっかけに、イスラエルとイランの12日間の衝突が勃発。米国は停戦が成立する前にイランの主要な核施設3カ所を攻撃したが、その効果をめぐる論争が続いている。イランは自国の核開発プログラムについて平和目的だと説明している。

米軍幹部は最近になり作戦計画の一部を説明したが、核計画への影響の度合いを示す新たな根拠は示していない。機密情報の説明を受けた米共和党の議員らも、核物質が完全に排除されなかった可能性を認めつつ、核物質の除去が今回の軍事作戦の目的ではなかったとしている。

米国が傍受したイラン高官の通信記録によると、攻撃は想定していたほど破壊的ではなかったという。米紙ワシントン・ポストが29日に伝えた。

グロッシ氏はCBSの番組で、イランには核開発の能力があり、数カ月かそれよりも早く、濃縮ウランを生産できる可能性があるとの見方を示した。「率直に言って、すべてが消え去り、何も残っていないと主張することはできない」「深刻な損害は確認できるが、完全な破壊には至っていない」

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