米軍のイラン空爆、核開発の中枢破壊に至らずとの初期評価
(CNN) 米軍が21日に行ったイランの核施設への空爆について、初期評価ではイランの核開発プログラムの中枢部分を破壊するには至っておらず、開発計画を数カ月後退させた程度とみていることが情報筋の話で明らかになった。
初期評価は米国防総省の国防情報局がまとめた。情報筋によると、空爆後に米中央軍が実施した被害評価に基づいているという。
核施設のダメージの程度と核開発計画への影響の分析は継続中で、今後明らかになる情報次第では評価は変わり得る。だが初期評価は、トランプ大統領が繰り返し口にしているイランのウラン濃縮施設を「完全に壊滅させた」との主張と食い違っている。ヘグセス国防長官も22日、イランの核開発計画は「葬られた」と述べていた。
初期評価に詳しい情報筋2人によると、イランの濃縮ウランは破壊されていないという。情報筋の1人は遠心分離機はほぼ「無傷」だと指摘し、「米国の攻撃でイランの核開発はおそらく数カ月後退した、というのが国防情報局の評価だ」と述べた。
この評価についてCNNがホワイトハウスにコメントを求めたところ、レビット報道官は事実とは異なると否定し、大統領と作戦を実行したパイロットをおとしめようとするものだと述べた。
米軍が空爆を実行する前にイスラエルは数日間にわたってイランの核施設を攻撃し、壊滅させるには米軍による「バンカーバスター」と呼ばれるGBU57A/B大型貫通爆弾(MOP)を使った攻撃が必要だと主張していた。
情報筋によると、米軍は21日にB2爆撃機を使ってイランのフォルドゥとナタンズの核施設にバンカーバスター12発超を投下したが、遠心分離機と高濃縮ウランを完全に破壊していないという。