ガザへの支援物資搬入は危機的状況 飢餓が拡大、略奪も急増

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配給所で食べ物の受け取りを待つ少女ら=2日、パレスチナ自治区ガザ地区ヌセイラト/Eyad Baba/AFP/Getty Images

配給所で食べ物の受け取りを待つ少女ら=2日、パレスチナ自治区ガザ地区ヌセイラト/Eyad Baba/AFP/Getty Images

(CNN) イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の封鎖は部分的に解除された可能性があり、米国による新たな支援計画が始まった。だが、ガザの住民の状況が急速に悪化していることを示す兆候も出てきている。

国連やその他の支援機関によれば、イスラエル軍による支援ルートの制限や継続的な空爆、治安の欠如、数万人の継続的な避難が、すでに憂慮すべき状況をさらに悪化させている。実際に搬送された支援物資も略奪の危険にさらされている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は直近の評価報告書で、「ガザの人々は飢えに苦しんでいる。このことは、すべての境界の検問所を緊急に開放して人道支援団体が複数のルートを通じて大規模な支援物資を届けられるよう、妨げられることなくアクセスできるようにすることを求めている」と述べた。

新たに設置された支援物資の配給拠点で家族のために食べ物を手に入れようとしていた女性は8日、CNNに対し、「私たちは非常に飢えているので、わずか1キロの小麦粉のためでも撃たれる危険を冒すのもいとわない」と語った。

国連は7日、ガザでは急性栄養失調に陥る子どもの数が増加していると明らかにした。まだ稼働している病院も燃料不足によって閉鎖の危機にひんしている。

検問所を管轄するイスラエル国防省傘下の「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は7日、先週は支援物資を積んだトラック350台がケレムシャローム検問所を通過してガザに入ったと明らかにした。だが、これは紛争前にガザに入ってきた物資の量の20%にも満たない。

頻繁に届く支援物資でさえ最も困窮している人たちの手に渡っていない。国連機関は、ガザ地区内での配給ルートについて、イスラエル軍と合意することが依然として困難だと報告した。OCHAによれば、5日に配給の準備が整ったトラック16台のうち、燃料と水を含む5台が拒否され、6台が目的地にたどり着かなかった。

さらに、ここ数週間、ガザで支援物資を運ぶ車両に対する略奪が急増している。

OCHAは、活動が前例のない水準の不安と極めて高い略奪の危機に直面していると明らかにした。パートナー団体の報告によれば、略奪事件のほとんどは困窮した民間人によるものだという。

ガザの民間輸送協会の代表は7日、トラックへの度重なる攻撃によって、支援物資の搬送が3日連続で停止していると明らかにしていた。銃撃で損傷して走れなくなったトラックも数台あるという。

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