ガザ地区、5人に1人が飢餓に直面 イスラエルによる全面封鎖続く
(CNN) イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区に対して喫緊に必要な人道支援の搬入を封鎖して約3カ月が経過するなか、ガザの住民の5人に1人が飢餓に直面していることがわかった。「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の指標に基づく分析で明らかになった。
国連や複数のNGOもガザをめぐり、イスラエルが3月にガザへの攻撃を再開して以降、住民は食料や医薬品、きれいな水を入手するのに苦慮しており、状況が悪化していると警告している。
IPCの報告書によれば、ガザの全住民が「高い水準の急性食料不安」を経験しており、飢饉(ききん)に陥る可能性が高い。
報告書によれば、人々の生存に不可欠な物資は枯渇しているか、今後数週間で底をつく見通し。食料はなく、わずかに残った物資も法外な値段で販売されており、ほとんどの人が購入できていないという。
イスラエルは3月2日、ガザを封鎖し、200万人超のガザの住民に対する食料や医薬品、そのほかの支援の搬入を遮断した。イスラエルはガザの封鎖と攻撃の拡大について、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放を迫るための圧力だと説明している。国際機関はこうした取り組みを国際法違反だと批判しているほか、イスラエルが飢餓を戦争の武器として利用しているとの非難の声も上がる。
報告書によれば、現時点から9月末までに飢饉が発生するリスクが高く、ガザの住民の大半が食料や水、避難場所、医薬品を入手できなくなるという。

栄養不足の娘をいたわる母親=4日、パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市/Qattaa/AFP/Getty Images
報告書は、即時かつ持続的な戦闘行為の停止と人道支援の再開だけが飢餓の悪化を防ぐことができると訴えている。
IPCは食料不安の深刻さを測る5段階の尺度で、データが一定の基準を満たした場合にのみ飢饉が宣言される。その基準は、全世帯の少なくとも20%が極度の食料不安に直面しているなどで、報告書によれば、この基準にはすでに達している。5月から9月の間に人口の約22%にあたる約46万9500人が「壊滅的」な食料不安に陥る可能性が高いという。