ガザへの支援物資搬入は危機的状況 飢餓が拡大、略奪も急増
米国とイスラエルが主導する「ガザ人道財団(GHF)」を通じた支援物資の配給は5月に始まったものの、安全上の問題に悩まされている。
CNNの調査によれば、イスラエル軍は今月1日、GHFの拠点の一つに向かおうとしたパレスチナ人の群衆に向けて発砲し、パレスチナ保健省によれば、少なくとも31人が死亡した。イスラエル軍は事件に関する説明に異議を唱えている。2日と3日にも同様の事案が発生していた。イスラエル軍は陣地に接近した不審者に対して警告射撃を行ったと説明し、死傷者の人数に異議を唱えた。
GHFは8日、ガザ南部に2カ所と中部に1カ所の計3カ所で配給拠点を運営し、1万7000箱余りの食料を配布したと発表した。GHFによれば、ラファ北部の地元社会の指導者に1万食以上の食料を配布した。これは「地域社会への直接配給」の試験運用だという。
しかし、ガザ中部のネツァリムの施設を訪れた人の多くは何も手に入らずに帰途に就いた。
男性のひとりはCNNに対し、午前6時に行ったが何も見つからなかったと語った。「今の状況は恥ずべきものだ。空の段ボールを持っているが、中にはレンズ豆さえ入っていない」
男性は、必要以上の物資を受け取る人もいて、国連が運営しているようなIDに基づく分配制度がないと不満を口にした。CNNはこれまでに、GHFには援助物資を受け取る人を選別する制度がないと報じていた。