鉱山作業員の遺体発見、崩落事故受けて捜索活動続く 南米チリ
(CNN) 南米チリの鉱山で、救助隊が行方不明の鉱山作業員の救出を急ぐ中、銅鉱山内で閉じ込められていた作業員5人のうち1人の遺体が発見された。チリ国営の鉱山会社「チリ銅公団(コデルコ)」が2日に明らかにした。これにより、7月31日(木)に発生した崩落事故による死者は2人となった。
コデルコが操業する世界最大級のエルテニエンテ銅山では、坑道の一部が崩落。救助隊は作業員の救出活動を続けている。
鉱山のゼネラルマネジャー、アンドレス・ムジック氏は2日の記者会見で、検察らが作業員の身元の確認を行うと述べた。
ムジック氏は「この知らせは、同僚の家族や鉱山業界全体にとって大変つらいものだ。我々は今後も全力と希望をもって作業を続けるが、より慎重に作業を進めるため、進捗(しんちょく)が遅くなる可能性がある」と述べた。
チリ大学の国家地震学センターによると、事故が起きた7月31日、鉱山周辺ではマグニチュード(M)4.3の地震が観測されていた。地震とその後の崩落により、負傷者は9人に上ったとコデルコは明らかにしている。

エルテニエンテ銅山の入り口の様子/Raul Bravo/AFP/Getty Images
コデルコは1日、「最初の48時間が生存者救出の鍵となる」と述べた。作業員が閉じ込められているとみられる地点に到達するには、坑道内のがれきを20メートル除去する必要があるが、1日時点で除去されたのは4メートル分にとどまっているという。
エルテニエンテ鉱山はチリ中部のオイギンス州にあり、同社のデータによると、世界最大の銅鉱床を誇る。今回の事故を受け、同鉱山では操業を停止し、救助活動が続いている。
チリのボリッチ大統領は1日、SNS「X」で声明を発表し、「行方不明の作業員の救出に政府の全力を注ぐ」と表明。鉱業相に対し、現地で必要な対応を調整するよう指示したという。
チリの検察当局はすでに事故の捜査を開始しており、コデルコも崩落原因の内部調査を進めている。