トランプ関税でアフリカ諸国は中国の手中に
中国は米国の関税がアフリカに与える影響を緩和する提案を行っている。6月には、提携関係にあるほぼ全てのアフリカ諸国への輸入品に対する関税を停止すると発表した。
「アフリカ諸国にとって、(発展途上国間の)南南貿易を強化するには、今がまさに絶好の機会だ」と南アフリカの研究者ネオ・レツワロ氏はCNNに語り、各国に対し「中国だけに目を向け、同国を次の米国にすべきだ」と訴えた。
「米国は徐々に世界的なリーダーシップの地位を失いつつある」とレッツワロ氏は述べ、「より多くの国々が米国への依存度を下げれば下げるほど、中国が米国の代替国となる機会が増える」と付け加えた。
関税発動期限前、アフリカ諸国が関税回避に尽力したにもかかわらず、米国はアフリカ諸国との貿易協定を締結しなかった。これはホワイトハウスの優先事項におけるアフリカの位置付けを浮き彫りにした。
レッツワロ氏は、米国がアフリカとの協定交渉に失敗したことを「中国にとっての明白なゴール」と表現した。
トランプ氏の関税の影響は、アフリカで最も経済が好調な国々だけでなく、15%の関税を課されたレソトのような最貧国にも既に及んでいる。レソトは関税率が変更される前は、最も高水準となる50%の税率を課されていた。
レソトのマテカネ首相は6月、人口わずか200万人強の同国に対する米国の援助停止と相まって、巨額の関税が「これまで数千人の雇用を支えてきた産業を麻痺(まひ)させた」と述べた。