名木切り倒した男2人に禁錮4年3カ月 樹齢200年超、映画にも登場 英

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ダニエル・グラハム被告(左)とアダム・カラザーズ被告に量刑が言い渡された/Northumbria Police/PA/AP

ダニエル・グラハム被告(左)とアダム・カラザーズ被告に量刑が言い渡された/Northumbria Police/PA/AP

(CNN) 英イングランド北部に伸びる「ハドリアヌスの長城」でシカモア(セイヨウカジカエデ)の名木を切り倒した事件で、ニューカッスルの刑事法院は15日、男2人に禁錮4年3カ月の判決を言い渡した。

量刑を言い渡されたのはダニエル・グラハム被告(39)とアダム・カラザーズ被告(32)。2人は5月に器物損壊罪で有罪評決を言い渡されていた。罪状の1件はシカモアの木に関するもので、もう1件は倒木によるハドリアヌスの長城の損壊に関するものだった。

この木は、ローマ帝国の北西端を守る防塁として築かれたハドリアヌスの長城を200年以上にわたり見守ってきた。木は2023年9月に「意図的に伐採」された。当局は当時「破壊行為」と非難していた。

裁判官は、2人が「全くの虚勢」で犯行に及び、その犯罪行為が引き起こした報道を楽しんでいたと指摘した。

検察は裁判で、陪審員に対し、両被告が自宅から40分以上かけて現地を訪れ、名木を切り倒すという「愚かな使命」に及んだと述べた。PA通信が伝えた。

伐採は世界的なニュースとなり、23年9月には広く悲しみの声が上がった。

遺跡の管理団体ナショナル・トラストのマネジャー、アンドルー・ポード氏は被害者影響報告書で「世界中が圧倒的な喪失感と困惑に包まれた」と語った。PA通信が報じた。

切り倒されたシカモア(セイヨウカジカエデ)の名木=2023年9月/Jeff J Mitchell/Getty Images
切り倒されたシカモア(セイヨウカジカエデ)の名木=2023年9月/Jeff J Mitchell/Getty Images

愛されたシカモアの木はノーサンバーランド国立公園内にあり、ケビン・コスナーさんが主演した1991年の映画「ロビン・フッド」で世界に知られるようになった。

木が立っていた「シカモア・ギャップ(すきま)」は、約1900年前に建設された、ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産に登録されているハドリアヌスの長城に隣接し、イングランドで最も写真に収められた木の一つとされていた。

ナショナル・トラストの広報担当は量刑の言い渡し後、「シカモア・ギャップの伐採に関する捜査が終結する中、過去18カ月にわたって世界中から寄せられた何千もの支援のメッセージに深く感謝する。今も残る喪失感は、人々と自然遺産との強い絆を反映している」と述べた。

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