(CNN) オバマ元大統領は11日夜、ニュージャージー州で行われた非公開の資金集めイベントで民主党支持者らに行動を呼びかけた。同氏はトランプ大統領率いる国の現状に不満を抱く人々に向け、「正しいと思うことのために立ち上がろう」と訴えている。
CNNが独自に入手した発言の抜粋によると、オバマ氏はイベントで「今必要なことは考え込んだり、体を丸めて泣き言を言ったりするのを減らすことだ。そして、民主党はもっと強くならなければならない」と述べた。
「民主党員だが今は少しがっかりしているので何もしていないなんて言わないでほしい。今こそ行動すべき時だ」「言論の自由を大切に思っていると言いながら沈黙するのではなく、難しい時こそ言論の自由のために立ち上がるべきだ。誰かが気に入らないことを言ったとしても、こう言おう。『その人には発言する権利がある』。今必要なのは『勇気』だ」(オバマ氏)
オバマ氏の発言は、トランプ政権2期目以降に民主党が進むべき道を模索する中でなされた。民主党支持層の多くは、党が権力の座から締め出されている今、指導部によるより強力な対応を求めている。
民主党が党を誰が率いるべきかを議論する中、オバマ氏はニュージャージー州とバージニア州の知事選に注力するよう促し、これらの選挙が「我々が進むべき道に向けた大きな飛躍のきっかけになる」と述べた。
オバマ氏は、トランプ氏が1月に政権に復帰して以降、限られた場所で発言を行っている。同氏はトランプ氏の関税政策を批判し、ホワイトハウスが米国民の権利を侵害していると批判。先月には、米国が独裁的な政府に「危険なほど近づいている」と警鐘を鳴らした。
オバマ氏は11日の集会で、「トランプ氏の行動に驚いていない」と述べ、「共和党内にもはやガードレールはない」と明言した。法律事務所や大学などの機関に対しては、トランプ政権による脅迫行為に抵抗するよう改めて呼びかけた。
「私たちに求められているのは、自分が正しいと思うことのために立ち上がる努力をすることだ。そして自分の価値観を守るために、この国のために、自分の子どもや孫たちに残したい世界のために少しばかり不快な思いをする覚悟を持つことだ」「私たち皆がそれを実行すれば、今後1年半のうちに勢いを取り戻し、国を本来進むべき方向へと導けるようになると思う」(オバマ氏)