インド出身の世界最高齢マラソンランナー、ひき逃げにより死亡 114歳
2011年のマラソン大会に出場したときの世界最高齢マラソンランナー、ファウジャ・シンさん
(CNN) インド警察によると、世界最高齢のマラソンランナー、ファウジャ・シンさんが14日、ひき逃げ事故により死亡した。114歳だった。シンさんは10年以上前に100歳を迎えてからも競技を続けていた。
1911年にインドの田舎で生まれ、後に英ロンドンに移住したシンさんは、妻と息子の死後、89歳でマラソンを始めた。「ターバンを巻いた竜巻」と称され、フルマラソンを9回完走した。
インド警察によると、シンさんはインド北西部パンジャブ州にある故郷の村近くの道路を歩いていたところ、車にはねられた。車両の持ち主は特定されていない。
シンさんは病院に搬送されたが、頭部と肋骨(ろっこつ)の負傷により死亡したという。
警察は防犯カメラの映像や通行人の目撃証言をもとに車両の確認を進めている。
インドのモディ首相は追悼の意を表し、シンさんを「すばらしい決意を持った並外れたアスリート」とたたえた。
シンさんは102歳のときにCNNのインタビューにこう語った。「走ることは私に優しさを与えてくれた。すべてのトラウマや悲しみを忘れさせ、私を生き返らせてくれた」
わずか数カ月のトレーニングを経て初マラソンに挑み、3年後の2003年にはカナダ・トロントでの大会で自己ベストとなる5時間40分を記録した。
11年には再びトロントの大会に出場し、8時間11分6秒で完走。100歳以上での史上初の完走者となった。
出生証明書がないことからギネス世界記録に認定されることはなかったが、100歳の誕生日には、故エリザベス女王から祝福の手紙を受け取った。