英国王、国賓訪問の仏大統領を歓迎 両国の絆を強調
ロンドン(CNN) 英国のチャールズ国王は8日、英国を国賓として訪問したフランスのマクロン大統領を歓迎し、「多数のより複雑な脅威」に直面する英国とフランスとの重要な絆を強調した。英国が欧州連合(EU)を離脱した後、EU加盟国の首脳が国賓待遇で英国に招かれるのは今回が初めて。
8日に始まったマクロン氏の英国訪問は3日間の日程。チャールズ国王とカミラ王妃がウィンザー城でマクロン夫妻をもてなし、夜には華やかな晩餐(ばんさん)会も開かれた。
チャールズ国王は8日夜の乾杯のあいさつで、英仏関係の力強さを称賛したほか、マクロン氏に対して両国の絆は「友情を超えて家族の域にまで達している」と語った。
チャールズ国王は両国の国民が共有する歴史と文化について言及し、フランス語と英語で乾杯のあいさつを行った。
マクロン大統領夫妻は8日にロンドン近郊のノースホルト空軍基地に到着し、ウィリアム皇太子夫妻の出迎えを受けた。その後、一緒にウィンザー城に移動すると国王夫妻からの歓迎を受けた。
2008年以来となる仏大統領の訪問にレッドカーペットが敷かれ、英国らしい華やかさが披露された。

マクロン仏大統領夫妻を歓迎するチャールズ国王夫妻=8日/Alberto Pezzali/Getty Images
マクロン氏はその後、ウィンザー城からロンドンのウェストミンスターに移動し、第1次世界大戦で亡くなった人々を追悼する無名戦士の墓に花輪をささげた。
英国の国会議員は8日午後、英議会のロイヤルギャラリーに集まり、マクロン氏はそこでフランスと英国の強い絆を強調し、「フランス人は君主制を愛している。特に君主制が国内にないときには」と冗談を口にした。
マクロン氏は、パレスチナの国家承認を求め、「2国家解決」こそが「地域全体のすべての人々にとって平和と安定を築く唯一の道だ」と主張した。マクロン氏はまた、ロシアによるウクライナ侵攻や移民、科学技術、貿易といった課題でフランスと英国が協力する必要性についても改めて強調した。
マクロン氏はスターマー英首相とも複数回会談し、英国のEU離脱で生じた溝の修復を図る。