エアインディア機墜落、直前にエンジンへの燃料供給遮断か 暫定報告書

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事故現場で目撃されたエアインディア機の降着装置/Siddharaj Solanki/Bloomberg/Getty Images

事故現場で目撃されたエアインディア機の降着装置/Siddharaj Solanki/Bloomberg/Getty Images

(CNN) インド航空会社エアインディアの旅客機が6月に墜落した事故で、インド航空事故調査局は暫定報告書を公表し、エンジンへの燃料供給が断たれていたとの見解を示した。

ロンドン行きのエアインディア機は、インド西部アーメダバードの空港の滑走路から離陸した直後に墜落した。搭乗者は1人を除き全員死亡した。

CNNが入手した報告書によれば、ボーイング787型機のコックピットにある燃料制御スイッチが切り替わり、エンジンは燃料不足に陥っていたという。

調査担当者はブラックボックスから、49時間分の飛行データと、事故時のものを含む2時間のコックピット音声記録を回収した。

報告書によると、旅客機の対気速度が時速約333キロに達した時点で、エンジン2基の燃料制御スイッチが「1秒差で相次ぎRUN(運転)からCUTOFF(遮断)に切り替わった」という。

報告書は「コックピット音声の録音では、操縦士の1人がもう一方に、なぜオフにしたのかと問い、もう1人が自分はやっていない、と応じている」と説明する。

スイッチは間もなく元の正しい位置に戻されたが、エンジンが再始動している途中に墜落が起きた。

787型機では燃料制御スイッチは操縦士2人の席の間、スロットルレバーのすぐ後ろにある。金属で側面が保護され、誤操作でオフになるのを防ぐロック機構が付いている。

ボーイング787型機の燃料制御スイッチ=2010年/Aviation Images/Universal Images Group/Getty Images
ボーイング787型機の燃料制御スイッチ=2010年/Aviation Images/Universal Images Group/Getty Images

報告書によれば、「飛行中に燃料制御スイッチをCUTOFFからRUNへ動かすと、それぞれのエンジンの制御装置が自動で再点火と推力回復の手順(点火と燃料注入)を管理する」という。

エンジンの再点火を試みた数秒後、操縦士の1人が救難信号を発した。管制官は航空機のコールサインで呼びかけたが応答はなく、遠方で機体が墜落するのを見守るしかなかった。

エアインディア171便は6月12日、アーメダバードにある国際空港を離陸。英ロンドンのガトウィック空港に現地時間午後6時25分に到着する予定だった。

エアインディアによれば、搭乗していた乗客乗員は242人で、その中にはインド国籍の169人、英国籍の53人、ポルトガル国籍の7人、カナダ国籍の1人が含まれていた。

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