G7サミット開幕へ 貿易を「協議しないわけにはいかない」、中東情勢緊迫も

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主要7カ国首脳会議(G7サミット)がカナダで開幕する/Zou Zheng/Xinhua/Getty Images)

主要7カ国首脳会議(G7サミット)がカナダで開幕する/Zou Zheng/Xinhua/Getty Images)

(CNN) 米国のトランプ大統領をはじめとする各国首脳は、イスラエルによる前例のないイラン攻撃からわずか数日後、カナダで開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する。通常であれば、こうした紛争の進展が議論の焦点となるはずだが、各国首脳は今回、もう一つの喫緊の課題にも焦点を当てる必要があるだろう。すなわち、貿易だ。

米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のジョシュ・リプスキー氏は「どの国の観点から見ても、これについて話さないわけにはいかない」と指摘する。

トランプ氏が自らに課した期限である7月9日まで1カ月を切った。この期限までに、G7サミット参加国を含む数十カ国が、さらなる激化を回避するための貿易協定に署名しない限り、関税の引き上げに直面する可能性がある。

期限までに協定が結ばれなかった場合、トランプ氏が、一部は50%にも達する「相互関税」を再び課すのか、あるいは各国がさらに高い税率に直面することになるのかはわかっていない。トランプ氏は関税引き上げの猶予期間をさらに延長する可能性も示唆しているものの、ベッセント財務長官は先に、猶予期間の延長は「誠意をもって交渉している」国にのみ適用される可能性があると発言している。

米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のモーリス・オブストフェルド氏は「安全保障の状況が世界を脅かすほど深刻にならない限り、(G7の)議題を放棄するつもりはない」と述べ、G7サミットでは各国首脳が貿易を中心に協議を行うとの見通しを示した。

トランプ氏が米国へのほぼすべての国の輸出品に課した10%の関税や、鉄鋼とアルミニウムに課した50%の関税などがすでに一部の国の経済に打撃を与え始めている。

例えば、先週発表された英国のデータによれば、米国への輸出が大幅に減少したことで、4月の国内総生産(GDP)は約2年ぶりとなる大きな落ち込みを記録した。

世界銀行が先週発表した報告書によれば、世界経済の成長は1960年代以降で最も低水準の10年間となるとの予測を示しており、その主要因はトランプ氏の掲げる貿易政策だ。英国以外の経済が打撃を受けるのも時間の問題かもしれない。

カナダでのG7サミットに出席する首脳全員が関税引き上げを回避するための計画を持って出発したと考えていることはほぼ間違いない。しかし、それが実現するかどうかは不透明だ。

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