最期の言葉は「息ができない」 サウジ人記者殺害の音声記録、全容が明らかに

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ジャマル・カショギ氏殺害時の状況について情報筋が明らかにした/JIM WATSON/AFP/AFP/Getty Images

ジャマル・カショギ氏殺害時の状況について情報筋が明らかにした/JIM WATSON/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が殺害された現場の音声記録には、同氏が苦痛を訴えた最期の言葉や、実行犯の1人が外部に電話で逐一報告する声が含まれていたことが10日までに分かった。

事件の捜査について説明を受け、音声を書き取った文書を読んだ情報筋がCNNに語った。

音声は、殺害現場となったトルコ最大都市イスタンブールのサウジ総領事館で録音された。トルコ当局が書き取って英語に翻訳し、欧米の同盟諸国などに提供している。トルコがどのような手段で館内の音声を入手したのかは明らかでない。米国とサウジには音声自体も渡されているという。

情報筋によると、音声記録はカショギ氏が10月2日、トルコ人女性との結婚手続きのため領事館に入った時点から始まっている。

文書によれば、カショギ氏を出迎えたのはサウジのムハンマド皇太子に近い情報当局者、ムトレブ氏だった。同氏から「帰国させる」と告げられ、カショギ氏は「それは無理だ」「外で人が待っている」と答えた。この日、領事館の前では婚約者の女性が同氏を待っていた。

会話はそこで途切れ、数人がカショギ氏に襲い掛かったとみられる。同氏はまもなく「息ができない」と繰り返し訴えた。

カショギ氏が聞き取れる言葉を発したのはこれが最後だった。文書にはこの後「叫び声」「あえぎ声」という描写が続き、さらに「のこぎり」「切断」という言葉が並んでいる。

実行犯グループの1人とされるサウジ内務省の法医学部門責任者、トゥバイギ氏が周囲に「イヤホンをつけろ、私のように音楽を聞け」と促す声も入っている。

カショギ氏がどの時点で死亡したのかは特定できない。

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