政府職の退任示唆するマスク氏、主流メディアと異例の会見 自身をブッダになぞらえる場面も

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マスク氏がホワイトハウスで主流メディアの記者団に対し、異例の会見を行った/Andrew Harnik/Getty Images

マスク氏がホワイトハウスで主流メディアの記者団に対し、異例の会見を行った/Andrew Harnik/Getty Images

(CNN) 世界一の富豪でトランプ米政権の最高顧問にも名を連ねるイーロン・マスク氏が、ホワイトハウスで10社以上の大手メディアとの記者会見に臨んだ。同氏は通常、自身に好意的ではないと考えるメディアからのインタビューを避け、FOXニュースや保守系のポッドキャスト番組、自身の運営するソーシャルメディアから発信する方を好む。

今回マスク氏が大手メディアの取材を受けたのは4月30日。その夜には米紙ウォールストリート・ジャーナルが複数の匿名筋の情報として、電気自動車(EV)大手テスラの取締役会が最高経営責任者(CEO)であるマスク氏の後任の選考プロセスを開始したと報じた。マスク氏とテスラは、この内容を強く否定している。

ホワイトハウスでの取材にはニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、USAトゥデー、アクシオス、セマフォー、ブルームバーグ通信、ABC、NBC、FOXニュース、AP通信の記者らが出席した。

ワシントン・ポストによると、政府効率化省(DOGE)の幹部3人と並んでホワイトハウスでの取材に応じたマスク氏は、政権から身を引いた場合に誰がDOGEを率いるのかと問われた際、「ブッダが仏教にとって必要だろうか?」と聞き返した。その上で「彼の死後、仏教はより強固になったのではないか?」と続けたという。

マスク氏はかねて、DOGEでの自身の役割から5月に身を引く考えを示唆していた。

ホワイトハウスの当局者は4月30日の午前、記者たちに対しマスク氏の取材に招待すると告げていた。インタビューは午後の遅い時間に開かれ、約1時間続いた。

主流メディアとは長年敵対的な関係にあったマスク氏だが、インタビューでは記者たちと積極的に交流し、衝突する場面は全く見られなかった。事情に詳しい情報筋が明らかにした。

この情報筋によれば、実際のところマスク氏はやや敗北感を漂わせていたという。ニューヨーク・タイムズの記者はこのインタビュー記事に「101日間を振り返り、マスク氏の言葉から自信薄れる」との見出しを付けた。

インタビューの中でマスク氏は、当初掲げた政府支出1兆ドル(約145兆円)削減の目標をまだ達成できていないことを認めた。実際に削減したのは1600億ドル前後で政府からの一段の支援がなければ目標とする削減額への到達は「非常に困難」になるだろうと述べた。

また連邦職員を削減する際、一部の不可欠な職員が「誤って解雇」されたことも認めた。DOGEの強引な手法による政府支出削減は、共和党指導部やマスク氏本人に対する広範な反発を引き起こしている。

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