「人間ヤバい」と思わせてオオカミ撃退、映画「マリッジ・ストーリー」の夫婦げんかの罵声を拡声器で
(CNN) 映画「マリッジ・ストーリー」(2019)でスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが演じた激しい夫婦げんかの場面が、米西部の農場でオオカミ撃退に一役買っているらしい。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米農務省(USDA)が家畜を襲うオオカミを追い払う目的で拡声器を使って農場の上空から流している音声に、この映画の一場面が使われている。
USDAのポール・ウルフ地区管理官によれば、使われているのは映画の中でドライバーとヨハンソンが激しく言い争う場面。人間は怖いものだとオオカミに教える狙いがあるという。
「『人間はヤバい』とオオカミに思わせて反応させたい」とウルフ氏はWSJに語っている。
ハイイロオオカミに家畜を襲われる被害は米西部一帯で続出している。農務省はドローンを使って上空から花火や銃声、ポップカルチャーの音声などを流して家畜を守ろうとしてきた。オオカミを撃退する狙いでAC/DCの「サンダーストラック」やファイブ・フィンガー・デス・パンチの「ブルー・オン・ブラック」といったハードロックを流したこともあるという。
マリッジ・ストーリーはヨハンソンとドライバー演じる夫婦の離婚をめぐる葛藤を描いた映画。2020年のアカデミー賞で作品賞など6部門にノミネートされ、弁護士役を演じたローラ・ダーンが助演女優賞を受賞した。