ロシアとウクライナが直接協議、捕虜交換で合意も進展乏しく イスタンブール
(CNN) トルコのイスタンブールで23日、ロシアとウクライナによる3回目の直接協議が行われた。両国は捕虜交換に合意したものの、停戦条件や首脳会談の実現に向けた進展はほとんどなかった様子で、協議は1時間足らずで終了した。
今回の協議の先立ち、トランプ米大統領はロシア政府に50日以内に和平に応じるか、さもなければ「非常に厳しい関税」に直面すると告げていた。
ロシアのプーチン大統領はこれまで、トランプ氏の最後通告に公には応じておらず、ドローン(無人機)とミサイルでウクライナの都市を攻撃しつつ、地上部隊を東部で前進させ続けている。
ウクライナ代表団を率いたウメロウ前国防相は23日の会談後、ゼレンスキー氏とプーチン氏による8月末までの首脳会談を提案したと説明。「(米国の)トランプ大統領と(トルコの)エルドアン大統領が参加すれば最も有益だ」との認識を示した。
しかしロイター通信によれば、ロシア側の代表者を務めたプーチン氏の側近、メジンスキー元文化相は、そうした首脳会談は合意に署名する場合のみ適切だとの認識を示したという。
双方は停戦の条件を巡っても対立。ウメロウ氏は「(ウクライナは)実効的な外交に必要な前提条件として完全無条件の停戦」を求めると表明したが、ロシア側は医療班による死傷した兵士の収容を可能にするため、24〜48時間の一連の短期停戦を前線で実施することを要求した。
ただ、捕虜交換に関しては一定の歩み寄りがあった様子で、メジンスキー氏は会談後の記者会見で、ウクライナ・ベラルーシ国境でロシアとウクライナの捕虜250人ずつの交換が完了しつつあると明らかにした。
メジンスキー氏はさらに、「近い将来、双方が追加で少なくとも1200人の捕虜交換を実施する」ことでも合意したと明らかにした。

ウクライナ代表団を率いたウメロウ前国防相/Leonhard Foeger/Reuters
イスタンブールで5、6月に行われた過去2回の協議では、数千人規模の捕虜と兵士の遺体の交換が進んだものの、和平への進展はわずかだった。
23日の協議の前から期待値は低く、ロシアのペスコフ大統領報道官は、交渉を巡る双方の立場は「対極的」なままだと強調。記者団に「奇跡的な突破口」は期待しないでほしいと語っていた。