トランプ米大統領、ＦＲＢ視察の場でパウエル議長と対立　利下げ迫る

ワシントン（ＣＮＮ） 米国のドナルド・トランプ大統領と米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のジェローム・パウエル議長の対立が２４日、首都ワシントンにあるＦＲＢ本部ビルの改修工事現場視察であらわになった。

トランプ大統領は改修プロジェクトの総工費をめぐって交わしたやり取りの中で、３０億ドル（約４４００億円）超という数字を口にした。これは想定される２５億ドルを大幅に上回っていた。パウエル議長はトランプ大統領の発言に驚いた様子で「それは認識していません」と応じ、トランプ大統領の数字には、数年前に改修されて２０２１年に使用を再開したＦＲＢの３番目のビルの工費が含まれていると指摘した。

「あなたが付け加えたのは３番目のビルです」「建設は５年前でした」とパウエル議長は述べている。

大統領がＦＲＢ本部を訪れるのは極めて異例。パウエル議長の同行は、大統領が直前になって自身のＳＮＳへの投稿で発表した。今回の視察には共和党の有力議員らも加わった。

ＦＲＢの建設プロジェクトは、トランプ政権がパウエル議長に対して金利引き下げの圧力を強める口実として利用されている。ＦＲＢはトランプ関税が経済に与える影響を見極めるため、この圧力に対して抵抗を続けている。

パウエル議長の隣に立ったトランプ大統領は、記者団からの質問に応じて「彼が金利を引き下げてくれればうれしい」と答えた。

ＦＲＢ本部ビルの改修工事は予算を大幅に超えており、ホワイトハウスは計画条件違反の可能性があると述べている。

視察後にトランプ大統領は、パウエル議長と共に改修現場を視察できたことは「大変光栄だった」と自身のＳＮＳに投稿。「とにかく完成させよう。そしてそれ以上に重要なこととして、金利を引き下げろ！」と書き込んだ。