ウクライナ、ロシアに来週にも協議を呼び掛け 停戦交渉前進へ
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、停戦交渉を前進させるため、ロシアとの会談を呼びかけていると明らかにした。
ゼレンスキー氏は定例のビデオ演説で、ウクライナのウメロウ国家安全保障防衛会議書記が、すでにロシアに対し、来週にも次回の会談を行うことを提案したと述べた。
ゼレンスキー氏は「交渉のダイナミクスを改善しなければならない。停戦を実現するために、可能な限りのことをする必要がある。ロシア側は、捕虜交換、子どもたちの帰還、殺害の停止に関する決定から逃げるのをやめるべきだ」と語った。
ゼレンスキー氏は「真の平和を実現するには、首脳レベルでの協議が不可欠だ。ウクライナはその用意がある」と付け加えた。
一方、ロシア国営タス通信は、ロシア交渉団に近い関係者の話として、ロシアがウクライナからの会談提案を受け取ったことを確認したと報じた。
前回の停戦交渉は6月上旬、トルコ・イスタンブールで行われたが、ロシアとウクライナの代表団はわずか1時間あまりで協議を打ち切った。ロシア国営メディアによると、ロシアは停戦の前提条件として、最大限の領土要求を提示した。ウクライナ側はこれまで、和平のために領土譲歩を受け入れることを拒否している。
ゼレンスキー氏の呼びかけの前には、米国のトランプ大統領がロシアのプーチン大統領に対し、50日以内に停戦を達成するよう促していた。停戦の合意に達しなければ、ロシア産品に高関税を課すとともに、ロシア産原油を購入する国に対しても「二次関税」を課すとしていた。
だが、西側の専門家やウクライナ当局者は、トランプ氏の「50日間の猶予」が、ロシアが今後数週間で加速するとみられる夏の攻勢を抑止する可能性は低いとみている。
ロシアのラブロフ外相は、トランプ氏の関税方針について、単なる脅しにすぎないと一蹴した。「50日。かつては24時間だった。100日という時もあった。我々はこの全てを経験してきた」