エクアドル首都で深刻な水不足、日常生活に支障 絶望感募らせる住民
エクアドル・キト(CNN) 南米エクアドルの首都キトで深刻な水不足が続き、住民が絶望感を募らせている。過去25年で最悪の水不足は、発生から1週間が経過した。
キト南部への水の供給に使われていたパイプランは土砂崩れで激しく損傷。住民約40万人の日常生活に大きな支障が出た。
寒さの中で通りに並んで水の配給を待つ住民からは、「水がなければ生きられない」と叫び声が上がる。
当局は断水した6地区の住民への給水を急ぎながら、破損したパイプラインから土砂を除去する作業を続けている。一方、キト市と政府の間では、緊急対応をめぐって対立も起きている。
チリョガリョ地区の住民はバケツやボトルやごみ箱などの容器を手に、給水車の到着を待っていた。歩道に座り込んでいた74歳の女性は「朝からずっと並んで待っているのに、まだ誰も来ない」と訴え、付き添いがいるのかどうか尋ねると「私は一人暮らし、自分しかいない」と目に涙を浮かべた。
市は給水車70台を出動させているが、全員に行き渡らせるには不十分で、スケジュール通りに到着するとも限らない。
ヌエバアウロラ地区の住民は絶望感を募らせ、衛生基準も浄化基準も満たしていない水をくむため中央公園に集まっていた。

水源から水を集めるキトの住民/CNN
政府は15日までに、移動式水処理設備をこの地域に初めて設置した。
住民が給水場所と自宅を往復したり、水の入った容器を運んでもらったりするための費用もかさむ。「洗濯用の水がない。車で手伝ってもらうために2~3ドルを払うこともある」と住民の女性はこぼした。
政府は副大統領を支援担当に任命して対応に当たっているが、エネルギー相はキト市の緊急対応を批判。これに対してキト市長は、国との円滑なコミュニケーションが取れないと不満を漏らしている。