公然の秘密、イスラエルの核兵器プログラムについて分かっていること
(CNN) イスラエルが自国の核兵器プログラムについて公式に認めたことはないが、専門家はそれを中東の公然の秘密と呼ぶ。英国際戦略研究所(IISS)によれば、「自国の核能力を肯定も否定もしないイスラエルは、核保有国の中で特異な存在」とされる。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、イスラエルは核兵器を保有していることが知られる9カ国の一つ。イスラエル以外には米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮が含まれる。
イスラエルは1970年の核拡散防止条約(NPT)に署名しておらず、中東に「大量破壊兵器フリーゾーン」を創設することを目指す外交努力にも反対してきた。大気圏内や海中での核装置の爆発を禁じる63年の部分的核実験禁止条約には署名、批准している。
イスラエルはいつから核兵器を保有しているのか? イスラエルは48年の建国前に核兵器開発を模索し始め、58年には南部の町ディモナ近郊にある秘密開発拠点で取り組みに着手した。
イスラエルが最初に核兵器を組み立てたのは66年~67年ごろとの見方が多い。米中央情報局(CIA)は68年、イスラエルが核兵器の製造開始に成功したと報告した。
79年には秘密裏に大気圏核実験を実施したとみられているが、イスラエルは否定している。
保有する核兵器の規模は? 米国のNGO「核脅威イニシアチブ」によると、イスラエルは現在約90発の核弾頭を保有しており、最大300個の核兵器を製造できるだけの核物質を持つとみられている。
SIPRIによれば、イスラエルは兵器在庫の近代化を続けており、2024年には核搭載可能な弾道ミサイルシリーズ「エリコ」との関連が指摘されるミサイル推進システムの試験を行った。
SIPRIはまた、イスラエルがディモナのプルトニウム生産炉を改修している模様だとも指摘した。