ブラジル最高裁、前大統領に自宅軟禁命令

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ブラジル最高裁判所がボルソナーロ前大統領に対し、自宅軟禁を命じた/Evaristo Sa/AFP/Getty Images

ブラジル最高裁判所がボルソナーロ前大統領に対し、自宅軟禁を命じた/Evaristo Sa/AFP/Getty Images

(CNN) ブラジル最高裁判所は、ジャイル・ボルソナーロ前大統領に対し、自宅軟禁を命じた。ボルソナーロ氏は2022年大統領選挙の結果を覆そうとした陰謀の容疑で裁判を受けている。

アレシャンドリ・ジ・モラエス判事は4日、ボルソナーロ氏がソーシャルメディアや携帯電話の使用など、裁判所が以前に課した制限を順守していないとして、今回の命令に踏み切った。

命令によると、ボルソナーロ氏は、他のユーザーのソーシャルメディアアカウントに投稿するために、足首に装着した監視装置が見える状態でスピーチを録画していた。モラエス判事は、これは「利己的な目的でインタビューや公的または私的なスピーチを第三者のソーシャルメディアに投稿すること」を禁じる命令に違反していると述べた。

ボルソナーロ氏は自宅で軟禁され、弁護士と裁判所が許可した関係者を除き、面会は認められない。また、直接または第三者を介しての携帯電話の使用も禁止されている。

ボルソナーロ氏の長男であるフラビオ・ボルソナーロ上院議員は、CNNブラジルの取材に答え、父親が裁判所の命令に逆らったことは一度もないと述べ、裁判所の決定を批判した。

「我々は正式に独裁政権下にある。これはブラジルの歴史における悲しい1ページだ」と彼は述べた。

今年2月、ボルソナーロ氏は、22年大統領選の結果を覆し、対立候補のルラ大統領の権力掌握を阻止するためのクーデター計画に関与したとして起訴された。検察は、クーデター計画には、ルラ氏、副大統領、そして最高裁判事の暗殺計画も含まれていたと主張している。

ボルソナーロ氏は不正行為を否定している。

ボルソナーロ氏の盟友であるトランプ米大統領は、ボルソナーロ氏に対する裁判を「政治的動機によるもの」と批判している。先週、トランプ氏はブラジルに対し50%の関税を課す大統領令に署名した。ボルソナーロ氏に対する裁判を中止しない場合はブラジルに50%の関税を課すと警告していた。

米国はモラエス判事に対しても、「深刻な人権侵害」とみなして制裁措置を発動。ボルソナーロ氏の裁判をめぐって同判事と他の裁判所関係者に対するビザ制限を発表した。

ルラ氏は先週、米国がブラジルの輸出品に関税を課し、最高裁判事に制裁を科したことを強く非難。米国政府がブラジルの司法制度に干渉しているとし、その行為は「容認できない」と主張した。

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