イランとイスラエルの衝突、米国は「電話一本で止められる」 イラン大統領府当局者
テヘラン(CNN) 米国のトランプ大統領がイスラエルの指導層に対してイランへの攻撃を止めるよう命じれば、イランとの外交は「容易に」再開できる。イラン大統領府の当局者、マジッド・ファラハニ氏が20日、CNNのインタビューでそのような見解を示した。
「イランは非軍事的な対話を信じている」「直接か間接かは重要ではない」とファラハ二氏は述べ、「トランプ大統領は容易に戦争を止めることができる。イスラエル側に電話一本かけるだけで済む」と指摘した。その上で、イスラエルがイランへの爆撃を行う間は協議は不可能とするイラン側の立場を繰り返した。
ファラハ二氏によれば、イランに核濃縮を停止する考えはないが、譲歩は可能だという。同国政府は平和目的のために核濃縮が必要と主張するが、一方で兵器級に近いウランを大量に製造している。
トランプ氏が米国によるイラン攻撃についての判断を先送りし、2週間の交渉期間を設定したことで、可能性は小さいながらイランとイスラエルの和平協議にも現時点で道は開けている。
イランに対する直接攻撃を遂行するかどうかを巡っては、トランプ氏の陣営内でも意見が激しく対立している。

テヘラン中心部でイラン国旗などを振り、イスラエルの攻撃に抗議するデモ参加者ら/Majid Saeedi/Getty Images
ファラハ二氏は、もし米国が戦争に関与するなら、あらゆる選択肢が検討対象になると述べた。
20日、イランの首都テヘランの街路には政府を支持するデモ隊が繰り出し、イスラエルと米国に対する怒りの声を上げた。
CNNの取材班は現場で大規模な群衆を目撃。イラン国旗に加え、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやパレスチナの旗を振るデモ参加者の姿を確認した。一方で米国とイスラエルの国旗は燃やされ、「イスラエルに死を。米国に死を」の掛け声が響いていた。