レジオネラ菌に58人が感染、2人死亡 米NY市
(CNN) 米ニューヨーク市でレジオネラ菌の集団感染が確認され、患者は58人、うち2人が死亡した。市保健局が発表した。
原因と見られるレジオネラ菌は、セントラル・ハーレム地区の建物の屋上に設置された冷却塔から放出されるミストを介して拡散した疑いがある。冷却塔は大型ビルの冷却に用いられ、内部の水が高温になったり、滞留したり、十分に消毒されなかったりすると菌が繁殖し、ミストを吸い込んだ人が感染する可能性がある。人から人へは感染しない。
市保健局がこの集団感染を初めて公表したのは7月25日だった。市は地域内のすべての冷却塔を検査するとし、8月4日時点でレジオネラ・ニューモフィラ菌の簡易検査で陽性となった11基について是正措置を完了した。
保健当局は、該当する区域に在住で、インフルエンザに似た症状が出た場合は、できるだけ早く医療機関に連絡するよう呼び掛けている。
レジオネラ症はせき、発熱、頭痛、筋肉痛、息切れなどインフルエンザのような症状を引き起こす。世界保健機関(WHO)によれば、抗生剤で治療できるが、放置するとショックや多臓器不全を生き起こす可能性がある。
米国疾病対策センター(CDC)によると、レジオネラ症患者のおよそ10%が合併症で死亡し、高齢者や免疫力が低下している人ほど危険性が高い。
米労働安全衛生局(OSHA)によれば、米国では年間およそ6000例のレジオネラ症の症例が報告されているが、他の種類の肺炎との判別が難しいため実際の患者数はさらに多い可能性がある。