ドイツ、老朽化した地下シェルターの迅速な拡充を計画 ロシアの欧州侵略の懸念受け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
冷戦時代の西ドイツ政府の地下シェルター=4月16日、バートノイェンアールアールバイラー/Ulrich Baumgarten/Getty Images

冷戦時代の西ドイツ政府の地下シェルター=4月16日、バートノイェンアールアールバイラー/Ulrich Baumgarten/Getty Images

ベルリン(CNN) ドイツ連邦国民保護災害支援庁(BBK)は9日までに、同国の老朽化した地下シェルター網について大規模な見直しを行うことを明らかにした。

BBKのティースラー長官は南ドイツ新聞のインタビューで、「ドイツでは長い間、戦争は私たちが備える必要のあるシナリオではないという見方が広まっていた。しかし、状況は変わった。私たちは欧州での大規模な侵略戦争のリスクを懸念している」と述べた。

長官の発言は、ロシアが4年以内に再び欧州への攻撃を仕掛ける可能性があるという、欧州全土で共有されている現実的な懸念を表している。この時間軸は、ウクライナでの長期戦を経てロシアが再軍備を行うための必要最低限の期間と広く考えられている。

同紙の報道によると、ドイツの地下シェルターはわずか580カ所しかなく、その多くは稼働していない。この数は、冷戦時代に存在した約2000カ所から減少しており、攻撃を受けた際に避難できる人は人口のわずか5%に過ぎない。ドイツの人口は約8300万人。

ティースラー氏は、トンネル、地下鉄駅、地下駐車場、公共施設の地下室を改修し、「100万カ所の避難所を迅速に確保する」とともに、サイレンと通報システムを拡充すると述べた。

この改修には、今後4年間で「少なくとも」100億ユーロ(約1兆6000億円)、さらにその後10年間で300億ユーロが必要になるという。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「ドイツ」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]