ドイツ、老朽化した地下シェルターの迅速な拡充を計画 ロシアの欧州侵略の懸念受け
ベルリン(CNN) ドイツ連邦国民保護災害支援庁(BBK)は9日までに、同国の老朽化した地下シェルター網について大規模な見直しを行うことを明らかにした。
BBKのティースラー長官は南ドイツ新聞のインタビューで、「ドイツでは長い間、戦争は私たちが備える必要のあるシナリオではないという見方が広まっていた。しかし、状況は変わった。私たちは欧州での大規模な侵略戦争のリスクを懸念している」と述べた。
長官の発言は、ロシアが4年以内に再び欧州への攻撃を仕掛ける可能性があるという、欧州全土で共有されている現実的な懸念を表している。この時間軸は、ウクライナでの長期戦を経てロシアが再軍備を行うための必要最低限の期間と広く考えられている。
同紙の報道によると、ドイツの地下シェルターはわずか580カ所しかなく、その多くは稼働していない。この数は、冷戦時代に存在した約2000カ所から減少しており、攻撃を受けた際に避難できる人は人口のわずか5%に過ぎない。ドイツの人口は約8300万人。
ティースラー氏は、トンネル、地下鉄駅、地下駐車場、公共施設の地下室を改修し、「100万カ所の避難所を迅速に確保する」とともに、サイレンと通報システムを拡充すると述べた。
この改修には、今後4年間で「少なくとも」100億ユーロ(約1兆6000億円)、さらにその後10年間で300億ユーロが必要になるという。