最新の気候変動対策、サハラ砂漠で藻を育てて埋める

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モロッコに設けた施設は時間をかけて拡張される予定だ/Brilliant Planet

モロッコに設けた施設は時間をかけて拡張される予定だ/Brilliant Planet

フリーランスで気候変動の顧問を務めるロベルト・ホグラン氏によると、カーボンクレジットの大半は二酸化炭素の除去というよりも、森林伐採をしないなどの「回避」という形で購入されているという。

ホグラン氏は二酸化炭素除去の世界市場を監視するプラットフォーム「cdr.fyi」の共同創設者でもある。ブロック社も含め、上場企業は400万トン以上の二酸化炭素排出権を購入しているが、そのうち現在までに除去されたのはわずか2%にとどまる。だが、ホグラン氏は、心配の種は必ずしもそこではないと言う。

「今日カーボンクレジットを購入する一番の理由は、今すぐできるだけ大量の二酸化炭素を除去することではない。技術革新を促進し、まだ若い業界を支援して、将来のニーズに応えられるよう成長させることだ」とホグラン氏は説明する。「ベンチャー企業からカーボンクレジットを事前に購入することで、史上初の施設が建設され、実証試験を行うことも可能になる」

テイラー氏も、目に見える形で相当量の藻の薄片が用意できれば、ブリリアントプラネット社のモデルにも関心が集まるだろうと期待している。

同社は現在までに、2600万ドル(約37億円)の出資を受けている。年内には第2回の募集をかける予定だ。

目標は、10年以内に年間100万トンの二酸化炭素除去を可能にすること。これは自動車21万7000台分の年間排出量に匹敵する。テイラー氏は、そのためには、複数の場所で1万ヘクタール分の用地と10億ドル前後の投資が必要だと述べた。

テイラー氏は、いずれの数字にもひるんでいない。「我々は利用できそうな50万平方キロの平らな海岸砂漠にすでに目をつけている」とテイラー氏は言い、次のターゲットはナミビアだと付け加えた。

そうだとしても、一つの企業ですべてを担うことはできないし、単独で進めることもできない。「大気中の二酸化炭素を取り除く奇抜で素晴らしいアイデアは、我々の他にもおそらく40~50はあるだろう」とテイラー氏は言い、二酸化炭素の回収にも「マンハッタン計画のような姿勢」が必要だと訴えた。

藻が解決策になるかどうかはまだわからない。だが、人々の間でアイデアは膨らんでいる。

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