エプスタイン事件巡りMAGA陣営に波紋、トランプ氏は司法長官を擁護
(CNN) 勾留中に死亡した米富豪のジェフリー・エプスタイン元被告に関する司法省のメモをめぐり支持者の一部から批判の声が上がるなか、トランプ大統領は、ボンディ司法長官について、SNSへの投稿で「素晴らしい仕事をしている」と擁護する姿勢を示した。
トランプ氏は投稿で、支持者の一部が素晴らしい仕事をしているボンディ氏を追いかけていると指摘し、「我々は一つのチームだ。MAGA(米国を再び偉大に、の意味)だ。今の状況は気に入らない。完璧な政権、世界中で話題になっている政権があるのに『利己的な人々』が決して死なない男、ジェフリー・エプスタインのせいで、その政権を傷つけようとしている」と述べた。
非公開の場でもトランプ氏はボンディ氏への支持を強めている。情報筋によれば、トランプ氏は週末、メモをめぐる批判を沈静化させるため、最も声高な批判者の一部に電話をかけた。
12日には守派活動家のチャーリー・カーク氏に電話して、ボンディ氏への支持を明らかにした。カーク氏の団体が主催した学生向けの集会では、出席者からボンディ氏への批判が相次いでいた。
トランプ氏の周辺は一部の批判者に対し、態度を和らげるよう求めたほか、現時点でトランプ氏が司法長官を解任するつもりはないと伝えた。情報筋は、トランプ氏はボンディ氏を支持しているものの、状況はいつでも変わり得ると釘を刺した。
13日、ニュージャージー州で行われたクラブワールドカップ(CWC)決勝では、トランプ氏がボンディ氏に親指を立てる姿が写真に収められた。
一方、連邦捜査局(FBI)のボンジーノ副長官は、メモ公表をめぐる司法省との対立から辞任を検討しているという。
トランプ氏は13日に記者団からボンジーノ氏が依然としてFBI副長官かと質問を受けると「そう思う」と述べた。「元気だった」とし同日中に連絡を取ったことを示唆した。
エプスタイン事件をめぐってこのほど公開されたメモでは、エプスタイン元被告が「顧客リスト」を保持していた証拠や拘置所で殺害された証拠はないとしている。これが、右派活動家ローラ・ルーマー氏らトランプ氏支持者の怒りを呼び、ルーマー氏はボンディ氏の解任を要求した。
元大統領首席戦略官のスティーブ・バノン氏はポッドキャストで、政権の透明性への取り組みを疑問視した。
トランプ陣営の顧問は「政治的悪夢だ」と述べ、メモの公開は見る人がより少ないであろう連休前や、2026年中間選挙後でもよかったかもしれないと語った。
エプスタイン元被告は性犯罪に関連して起訴され、拘置中に死亡して自殺とされた。トランプ氏は24年の大統領選挙戦で追加資料の公開に言及し、支持者は著名人の関与が明らかになると期待していた。しかし、司法省が今回のメモで自殺説を裏付けたため、MAGA陣営内で不信感が高まった。