トランプ氏、FRB議長に直筆の書簡 金利の引き下げ求める
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は6月30日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長と理事会に対する攻撃を継続し、政策金利の引き下げを呼び掛ける運動を強化して超低金利を求めた。
トランプ氏は自身のSNSで、FRBの理事会は「米国にこのようなことが起こるのを許したのを恥じるべきだ」と投稿した。ただし政策を決める投票権を持つのはFRB理事会だけではなく、地区連銀総裁も含まれる。トランプ氏が理事会だけに言及したのか、投票権を持つ全員に言及したのかは不明。
トランプ氏は世界各国の政策金利を並べた一覧表を掲載し、米国の金利が最も高い金利水準にあると主張。トランプ氏は一覧表に直筆で、パウエル議長が米国に莫大な損失をもたらし続けているとつづった。
ホワイトハウスのレビット報道官は会見で、トランプ氏がこの一覧表をFRBへ送ったと明らかにした。
トランプ氏はこの数カ月、パウエル議長を「愚か者」や「能なし」などと執拗(しつよう)に批判している。パウエル氏への不満は、金利が下がらないことに集中する。
欧州中央銀行(ECB)など一部の中央銀行は今年に入り政策金利を複数回引き下げているが、FRBは引き下げに動いていない。FRBが利下げに動かないのは、トランプ政権下の政策転換が経済に及ぼす影響を見極めたいためだ。
パウエル議長はトランプ氏からの激しい批判に反応することを避け、FRBについて、インフレを抑制し、労働市場の健全性を維持することにのみ注力していると説明している。パウエル議長は先月、上院公聴会で「政策決定に政治は考慮しない」とも述べていた。

トランプ大統領によるメッセージが書き込まれた各国の金利の一覧表=6月30日/Anna Moneymaker/Getty Images