イーロン・マスク氏、来年の予備選で対立候補支援すると警告 「大きく美しい法案」めぐり
(CNN) 米上院がトランプ大統領の「大きく美しい法案」の最終採決を前に審議を進める中、米実業家イーロン・マスク氏は30日、X(旧ツイッター)で厳しい警告を発した。
マスク氏は「政府支出削減を訴えながら、その後すぐに史上最大規模の債務増加に賛成票を投じた議員はみな、恥入るべきだ! 何が何でも彼らを来年の予備選挙で負けさせる」と宣言した。
マスク氏は数週間にわたり、トランプ氏の政策法案を激しく非難し、先月にはトランプ氏との醜悪な論争を公然と繰り広げた。Xへの一連の投稿では新政党の立ち上げを提案していた。
マスク氏は30日にも、債務上限を過去最高の5兆ドル(約720兆円)も引き上げる今回の法案の巨額歳出を指摘し、国民のことを本当に考える新しい政党を作るべき時だと改めて訴えた。
議員を相手に予備選挙に出馬する候補者を支援するというマスク氏の決意は、ホワイトハウス顧問の職を退いて以降、同氏が示した特に具体的な政治的脅威だ。マスク氏は2024年の選挙でトランプ氏をはじめとする共和党候補者を支援するために2億7500万ドルあまりを費やした。5月下旬のインタビューで、同氏は「十分に行った」として政治資金を削減する意向を示していた。
マスク氏は、共和党の政策法案は債務を増大させると主張し、「債務奴隷制」と呼んでいる。
議会予算局が29日に発表した推計によると、上院の法案は今後10年間で3.3兆ドル近く財政赤字を増加させる。
マスク氏は、この法案で電気自動車(EV)や太陽光発電への補助金や税額控除が削減されることが反対の理由ではないと述べているものの、この法案は「過去の産業に援助を与えながら、未来ある産業に深刻な打撃を与えている」と批判している。