攻撃が合意を促進するとの期待
トランプ政権内では、過去2週間の出来事を受け、イランが米国の条件を受け入れ、核兵器開発に近づく可能性のある動きを中止する公算が高いとの期待が広がっている。
しかしイランの専門家らは、イラン政権が核兵器は必要だと決意する可能性を示唆している。同国議会は今週初め、国際原子力機関(IAEA)との協力を終了する法案を承認し、核開発計画の隠蔽(いんぺい)を進める意思を示した。
約2週間前に始まったイスラエルによるイランへの軍事作戦に先立ち、米国とイランは核開発をめぐる新たな合意の枠組みを目指し、5回に及ぶ協議を行っていた。米国はイランに案を提示し、イランはオマーンで予定されていた6回目の協議でこれに回答するとみられていた。しかし、こうした積み重ねはイスラエルのイラン攻撃によって頓挫した。
21日の米国によるイラン核施設3カ所への攻撃を前に、トランプ政権は仲介者を通じてイランと連絡を取った。そのメッセージは二つ。ひとつは、今後の米国による攻撃は抑制されるということ、もう一つは、イランとの外交交渉における米国の条件は、ウラン濃縮は行わせない、という明確かつ簡潔なものだということだったという。
トランプ氏は協議の見通しについて慎重な姿勢を示している。来週イランと協議を行うと発表した後、記者団に対し「合意に署名するかもしれないが、分からない」と述べた。
「我々が求めているたった一つのことは以前から変わっていない」「核兵器は作らせない」(トランプ氏)
ウィトコフ氏は25日、合意に至る「兆候」があると述べた。同氏はCNBCに対し、「我々はイラン側と対話している。複数の交渉相手が我々に接触している」「彼らは準備が整っていると思う」と語った。