米国で多発するアジア系住民襲撃 識者の見解は

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アジア系米国人への憎悪に反対するメッセージを掲げるデモ参加者/Dia Dipasupil/Getty Images

アジア系米国人への憎悪に反対するメッセージを掲げるデモ参加者/Dia Dipasupil/Getty Images

人種ヒエラルキーの中で独特な立場にあるアジア系米国人

現在の問題を理解するには、米国の人種ヒエラルキー(階層)におけるアジア系米国人特有の立場を認識することが重要だ。

「1850年代に最初の中国人が米国に到着した瞬間から今日に至るまで、アジア系米国人は、白人ではないが、黒人でもないと考えられてきた」と語るのは、カリフォルニア大学アーバイン校の政治学、アジア系米国人研究の教授クレア・ジーン・キム氏だ。

このアジア系米国人特有の立場が、いろいろな意味で彼らに有利に働いてきた、とキム氏は指摘する。

アジア系米国人は、アフリカ系米国人ほど歴史的に差別待遇を受けてこなかった。つまり、彼らはアフリカ系米国人が経験してきたような構造的障壁や不公平にも直面しなかったということだ。一般にアジア系米国人は、他の人種よりも収入が高く、大学の学位取得率も高いが、そのデータを詳しく見ると、微妙に違った実態が浮き彫りになる。

そして、アジア系米国人は米国の政治や大衆文化の中でさほど目立たないのは確かだが、目立たないからこそ、監視されたり、疑念を持たれることもなく、その結果、黒人、ラテン系住民、先住民のように警察の暴力によって殺害されずに済んだ、とキム氏は指摘する。

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