栄養失調の生後5カ月の乳児、母親の腕の中で死亡 飢餓が広がるガザ
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で25日、重度の栄養失調に苦しんでいた生後5カ月の女児が母親の腕の中で死亡した。悪化の一途をたどるガザの人道状況をめぐって国際的な非難が高まる中、ガザでの飢餓の新たな犠牲者となった。
死亡したのはゼイナブ・アブ・ハリブちゃん。母親がガザ南部の病院に連れて行こうとした途中で死亡した。
母親のイスラ・アブ・ハリブさんは26日、CNNの取材に対し、「ゼイナブはこの3カ月間、入退院を繰り返していた」と語った。
「交通手段がないので、30分以上歩かなければならなかった。未舗装の道路は長く、気温も非常に高く、私自身も空腹で水も持っていなかったが、歩き続けた」とアブ・ハリブさん。「突然、ゼイナブの動きと呼吸が止まり、体が重くなったように感じた」
アブ・ハリブさんは「もう何を言えばいいのか分からない。ゼイナブのような無実の赤ちゃんが、何人餓死すれば世界は目を覚ますのか」と訴えた。
ガザ保健省幹部のムニール・ブルシュ医師はSNSで、ゼイナブちゃんが深刻な栄養失調による合併症で亡くなったと明らかにした。「骨と皮だけになるまで衰弱した。ガザでは5歳未満の子ども26万人以上が栄養失調に苦しんでいる」
保健省は25日、2023年に紛争が始まって以降、ガザでは栄養失調により122人が死亡し、そのうち83人が子どもだったと発表した。
死亡の大半は、イスラエルが3月初旬にガザへの支援物資の搬入を拒否して以降に集中している。5月下旬に規制が一部解除されたものの、支援団体によると、届けられる支援物資の量は依然として不十分で、栄養失調の拡大は止まっていない。