ロベルト・バルティーニ、世界で最も謎めいた航空機設計者<上>

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唯一残るVVA14の試作機。現在はロシアの中央空軍博物館に置かれている/Alamy
写真特集:実用には至らず、旧ソ連VVA14の試作機 

唯一残るVVA14の試作機。現在はロシアの中央空軍博物館に置かれている/Alamy

(CNN) 彼の生涯は謎に包まれており、真の名前すら定かではない。だが、航空界への貢献は明らかだ。ロベルト・オロス・ディ・バルティーニ(墓石にはこの名が刻まれている)は時代に先んじた天才であり、死後50年近く経過した今なお、彼の手になる航空機や飛行艇は異彩を放っている。

バルティーニは7カ国語を話した現代の碩学(せきがく)で、天文学者にして哲学者、物理学者、画家、音楽家でもあった。

若い頃はオーストリア・ハンガリー帝国とイタリアで過ごしたが、航空機設計者として足跡を残したのは旧ソ連でのことだ。アンドレイ・ツポレフ、パベル・スホーイ、オレグ・アントノフといった航空史上の伝説的な面々と活躍の舞台を共にした。

「バルティーニは革新者として、これらの人物をしのぐほどではないにせよ、同等の水準にあった」「しかしロシア人でなかったために、同様の成功を挙げることはできなかった」。伝記「ロベルト・バルティーニの生涯と設計機」を著したジュゼッペ・チャンパリア氏はこう語る。

バルティーニは60機以上の航空機を設計したが、そのうち空を飛んだのは4機のみ。どれも試作機に過ぎなかった。世界記録を塗り替え、多くの優れた機体の設計に影響を与えたバルティーニだったが、称賛を受けることはほとんどなかった。

それどころか、スパイ容疑で10年近くソ連の刑務所に収容されていたこともある。

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