人為的気候変動の最たる証拠を消そうとするトランプ政権、ハワイの観測所閉鎖を要求

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米海洋大気局(NOAA)が公開したハワイのマウナロア観測所の写真=2019年/Susan Cobb/NOAA Global Monitoring Laboratory via AP

米海洋大気局(NOAA)が公開したハワイのマウナロア観測所の写真=2019年/Susan Cobb/NOAA Global Monitoring Laboratory via AP

(CNN) トランプ政権が提出した予算案は、ハワイのマウナロア観測所の閉鎖を求めている。同観測所は1950年代以降、人為的な気候変動の最も決定的な証拠を収集してきた。

マウナロア山の山頂にある同観測所は大気中の二酸化炭素を測定している。二酸化炭素は、他の地球温暖化を引き起こす汚染物質とともに、気候変動の直接的な要因となり、海面上昇を引き起こし、食料システムを破壊している。

トランプ大統領の予算案は、アラスカ北部から南極まで広がる米政府の温室効果ガス監視ネットワークを含む、他の多くの気候研究所への資金提供も打ち切ろうとしている。

しかし、トランプ氏の最も顕著な標的となっているのは、マウナロア観測所だ。同観測所で58年に開始された測定は、二酸化炭素濃度が継続的に上昇していることを示しているからだ。

観測所の測定によって作成された曲線は、現代科学の中でも特に象徴的なグラフであり、データの収集に尽力した研究者チャールズ・デービッド・キーリング氏にちなんで「キーリング曲線」と呼ばれている。現在、同氏の息子で、カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所のラルフ・キーリング教授がデータの収集と更新を監督している。

キーリング曲線の測定はマウナロア観測所を管轄する海洋大気局(NOAA)によって行われており、データの収集・管理については2社からの資金提供も受けている。

NOAAが研究所を閉鎖した場合、スクリップス研究所は同じ山頂に機器を設置するための代替資金源を探す可能性があるが、ハワイの他の場所に機器を移設すれば記録に非連続性が生じかねない。

マウナロアを閉鎖する提案は以前にも公表されていたが、NOAAが議会に予算文書を提出した30日に、さらなる詳細が示された。この文書は、トランプ政権がNOAAにおける気候関連のあらゆる研究活動の廃止を構想していることをより明確にしている。

NOAAは長年にわたり、世界トップクラスの気候科学機関だったが、政権は同局を気象予報・警報の運用責任に重点を置く方向に転換させるとしている。

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