米テスラが4~6月期決算、売上高12%減 苦境続く
(CNN) 米電気自動車(EV)大手テスラは23日、2025年4~6月期決算を発表したが苦境が続いている。純利益は前年同期比16%減の12億ドル(約1750億円)。主力の自動車部門の売上高が16%減少したほか、全体の売上高も12%減となり、いずれも市場予想を下回った。
ウォール街が重視する調整後純利益は、4億1900万ドル減少し、14億ドルだった。
1台あたりの売上高も500ドル下がり、4万2231ドルとなった。
販売の中心である「モデルY」や「モデル3」の販売台数は前年比12%減だった。高価格帯の「サイバートラック」などのモデルは52%の大幅減となった。
販売低迷の背景には、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動への反発や、中国メーカーを中心としたEV市場の競争激化があるとされる。
EV市場全体が成長している地域においても、テスラの販売は減少傾向にある。テスラは米国では販売していない中国の自動車メーカーBYDに、世界最大のEVメーカーの座を奪われる見通しだ。
過去1年半にわたる業績悪化は、テスラにとって異例の事態で、24年以前には、四半期ごとの前年比販売減は新型コロナウイルス流行期にショールームや工場が閉鎖されたときの一度だけだった。
マスク氏は、決算報告後の投資家向け説明会で、売り上げや利益の減少について直接的なコメントはせず、現在直面する財務的課題にも軽く触れるにとどめた。
マスク氏は説明会では、テスラが開発中の無人自動運転の「ロボタクシー」サービスに関する意欲的な構想に多くの時間を割いた。年末までに米国人口の半数がロボタクシーを利用できるようになると述べ、ヒト型ロボット「オプティマス」の大量生産についても言及した。
マスク氏は以前から自動運転やロボタクシーに関する大胆な予測を繰り返しており、19年には1年以内のサービス開始に言及していた。
実際、今年6月にはロボタクシーサービスを限定的に開始したが、提供地域はテキサス州オースティンの一部にとどまり、車内には社員が同乗していた。対象も、同社関係者やファンに限られている。