米五輪・パラ委員会、トランプ氏の大統領令順守へ トランスジェンダー選手の女子競技出場禁じる内容
(CNN) 米国オリンピック(五輪)・パラリンピック委員会(USOPC)は、トランプ政権の大統領令に従い、トランスジェンダーの女性選手が女子競技に出場するのを禁止すると約束した。その内容は選手の安全に関する方針の改訂に盛り込まれた。女子カテゴリーにおけるトランスジェンダーの女性選手の競技参加を禁止した他の団体に追随する動きとなる。
「女性スポーツから男性を排除する」としたトランプ大統領の大統領令は2月に発令された。USOPCによる上記の変更は、米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。
USOPCの選手の安全に関する方針は、27ページにわたる文書の中で「トランスジェンダー」という単語を直接的には使用していないものの、2月の大統領令に言及する曖昧(あいまい)な表現の段落が追加されている。
新しい文言は、「USOPCは、選手たちの競技への参加機会を守ることに尽力している。USOPCは国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、競技統括団体(NGB)など、監督責任を負う様々な関係者と協力し、大統領令14201号およびテッド・スティーブンス・オリンピック・アマチュアスポーツ法に基づき、女性が公正かつ安全な競技環境を享受できるよう努める」としている。
USOPCは方針変更に関する詳細情報の要請に応え、サラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)とジーン・サイクス会長から22日に株主コミュニティーに送られた書簡をCNNに提供した。
書簡の中でUSOPCは、大統領令14201号の発令以来、「連邦政府関係者と敬意を持って建設的な協議を重ねてきた」と説明。「連邦政府認可の組織として、我々は連邦政府の期待に従う義務がある」と述べている。
書簡はさらに、米国におけるスポーツの全国統括団体はUSOPCの新しい指針に従わなければならないと明記している。