トランプ氏、FRBの巨額改修費用めぐり、パウエル議長の解任理由に当たると示唆
(CNN) 連邦準備制度理事会(FRB)の25億ドル(約3700億円)規模の改修計画をめぐり、トランプ米大統領は、パウエル議長の解任に十分な理由になる可能性があると示唆した。この発言は、パウエル氏に対する最近の攻撃を激化させるものだ。
トランプ氏は記者団に対し、パウエル氏について「彼はおそろしい。宮殿に住む必要があるような人物だとは思わなかった」と語り、パウエル氏との会話は、人格が欠如しているために「椅子と話しているようなもの」だと続けた。
さらにトランプ氏は「FRBにちょっとした拡張を加えるために25億ドルを費やすとは全く予想していなかった」と発言。それは解任に値する行為かと問われると、「ある意味そうだ」と応じた。
トランプ氏は数カ月にわたりパウエル氏を非難し、金利引き下げを要求してきたが、FRBは金利を据え置いたままで、トランプ氏の怒りを買っている。それでもなお、こうした攻撃は、データに依拠するFRBの独立性が損なわれるのではないかとの懸念を引き起こしている。
市場は、政治的配慮ではなくデータと明確な権限に基づいて金利を設定する、独立した中央銀行を支持している。
ウォール街でも有数の経営者、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は15日の電話会議で記者団に、FRBの独立性は現FRB議長だけでなく、次期FRB議長にとっても極めて重要だと指摘した。
「FRBをもてあそぶことは、しばしば望んでいることとは真逆の、有害な結果をもたらしかねない」(ダイモン氏)
FRBの改修計画は2017年に同理事会で承認され、19年当初の費用は19億ドルだった。工事は21年に開始されたが、想定以上のアスベストなど「予期せぬ状況」によって追加支出が必要となり、費用は25億ドルに膨れ上がったとFRBのウェブサイトは説明している。
パウエル氏は内部の監察長官に対し、進行中の改修について追加調査を行うよう要請した。