アップル、米レアアース企業MPマテリアルズに745億円投資 米国供給網強化のため

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MPマテリアルズの作業現場=カリフォルニア州マウンテンパス/Joe Buglewicz/Bloomberg/Getty Images

MPマテリアルズの作業現場=カリフォルニア州マウンテンパス/Joe Buglewicz/Bloomberg/Getty Images

(CNN) アップルは15日、米国のレアアース(希土類)企業MPマテリアルズと5億ドル(約745億円)の投資契約を結んだと発表した。アップルは、トランプ米大統領からiPhone(アイフォーン)の国内生産を求める圧力にさらされている。

アップルはこの提携の一環として、MPマテリアルズから直接レアアース磁石を購入することを約束した。米国サプライチェーン(供給網)の強化を図る狙い。また、カリフォルニア州に同社と新たなリサイクルラインを建設し、リサイクルされたレアアースを製品に再利用する計画だ。

この動きは、トランプ政権がテクノロジー製品生産の国内化と中国への依存度の低減を推進する中、アップルが今年に入り発表した米国事業拡大に向けた5000億ドル投資の一環。スマートフォンからテレビ、軍用機にいたるあらゆるものに不可欠なレアアースは、米中貿易交渉において重要な交渉材料となっている。中国がレアアース加工のほぼすべてを掌握しているためだ。

テキサス州フォートワースにあるMPマテリアルズの工場には、アップル製品専用の磁石製造ラインが新設される。MPマテリアルズによると、出荷は2027年に開始され、最終的には「数億台」のアップルデバイスに対応する見込み。製造された原材料は全米および世界中に届けられる。

ニューヨーク・マンハッタンのアップルストア=10日/Sven Hoppe/picture alliance/dpa/Getty Images
ニューヨーク・マンハッタンのアップルストア=10日/Sven Hoppe/picture alliance/dpa/Getty Images

アップルは、この拡張により多くの新規雇用が創出されるとしている。両社は米国での磁石製造を担う人材育成のための研修も提供するという。

トランプ政権は、アップルをはじめとするテクノロジー大手に対し、主に中国やインド、ベトナムにある組み立て工場やサプライチェーンに依存するのではなく、米国内で製品を生産するよう求めてきた。

アップルはiPhoneの生産拠点を米国に移転する計画についてまだ話し合っておらず、実現は難しいと思われる。それは、最も収益性の高い製品であるiPhoneの生産方法を根本から見直す必要があるからだ。

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