トランプ氏、ブラジルに50%関税を警告 ボルソナーロ前大統領への「魔女狩り」裁判理由に
(CNN) トランプ米大統領は9日、一部の貿易相手国に対し最大50%の関税を通告する書簡を送付した。
トランプ氏はブラジル右派のボルソナーロ前大統領の起訴をめぐり特に同国を名指しし、「ブラジルは我々に良くしてくれなかった。全く良くしてくれなかった」と述べた。
トランプ氏との親密さを強調してきたボルソナーロ氏は、ルラ現大統領に対するクーデター未遂の罪で起訴されている。
トランプ氏は、ブラジルへの新たな関税を通知する書簡の中で、裁判について「これは魔女狩りであり、直ちに終わらせるべきだ!」と記した。
今週トランプ氏から書簡を受け取った他の21カ国とは異なり、ブラジルは4月に発表された「相互」関税の対象国ではなかった。同国からの輸入品には、最低水準の10%関税が課せられた。
また、他の21カ国とは異なり、米国は昨年ブラジルとの間で68億ドル(約1兆円)の貿易黒字を計上している。
9日に関税通知を受け取った国には、フィリピン、スリランカ、モルドバ、ブルネイ、アルジェリア、リビア、イラクなどがあり、これらの国には最大30%の関税が課せられる。新たな関税は8月1日に発効予定。
トランプ氏がスリランカ、モルドバ、イラク、リビアに課すとした税率は、4月初旬に発表された税率よりも低い。フィリピンとブルネイの税率は、4月時点の水準よりも高かった。アルジェリアは、4月時点の水準と同じ30%だった。
トランプ氏が4月にいわゆる「相互」関税を発表して以降、米国はさまざまな貿易相手国と新たな貿易協定の交渉を進めてきた。しかし、実現した合意はほとんどない。