中国・北京で大雨、30人死亡 8万人が避難
(CNN) 中国の首都・北京の北郊で数日にわたる集中豪雨が続き、29日までに少なくとも30人が死亡した。中国国営中央テレビ(CCTV)が伝えた。CCTVによると、8万人以上が避難している。
中国では今夏も極端な豪雨や壊滅的な洪水、土砂崩れなどが各地で相次ぎ、厳しい雨季への対応が続いている。
北部中国の広い範囲がこの数日間、激しい暴風雨にさらされている。この地域には大都市だけでなく農業地帯も広がっている。
住民やその暮らしは、夏の嵐や洪水、猛暑や干ばつといった気象災害により一層もろくなっている。気候危機によって異常気象が頻発、激化する中、中国政府にとって大きな課題となっている。
CCTVによると、北京では28日に降雨が激しさを増し、山間部に位置する密雲区で28人が死亡したほか、北部の延慶区でも2人が死亡した。

洪水後、所持品を搬送する高齢の男性/Jade Gao/AFP/Getty Images
SNS上に投稿された映像には、茶色く濁った洪水が住宅地を襲い、車をのみ込み、電柱を倒し、道路を川のように変えていく様子が映っている。
数十本の道路が被害を受けており、救助活動に支障が出る可能性がある。また、小規模な農村部では停電も発生している。
SNSでは住民による恐怖の声も広がっている。密雲区に住む女性はSNSに、近くの川が氾濫(はんらん)し、樹木や車両、建設資材が流れていく中、28日の夜を「恐怖に包まれて過ごした」と投稿した。