米スタバCEOの報酬、一般社員の給与の6666倍

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スターバックスのブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)/Michael Reaves/Getty Images

スターバックスのブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)/Michael Reaves/Getty Images

(CNN) 米スターバックスで量が増したのは、店舗で提供されるコーヒーだけではない。

スターバックスのブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)は昨年、同社の平均的な従業員に支払われる給与の6666倍の報酬を受け取った。米労働総同盟・産別会議(AFL―CIO)が23日に発表した年次報告書で明らかになった。この給与格差は、報告書に掲載された米国内の上場企業500社の中で最大だった。

ニコル氏は昨年9月に同社の経営陣のトップに就任した。報告書によると、証券取引委員会(SEC)への企業提出書類を基に算出された同氏への報酬は9800万ドル(約143億円)近くに上った。これに対し、同社の一般的な従業員の給与は1万5000ドルに満たなかった。

スターバックスは、米国の大企業経営者と従業員の間にある大きな給与格差の典型例でしかない。こうした格差は2024年に一段と拡大した。

最大手の公開会社のCEOが昨年受け取った報酬は1890万ドル。これは平均的な米国人労働者の給与の285倍に相当するという。1500万人の労働者を代表する労働組合の強力な連合体AFL―CIOの報告によると、その比率は前年の268対1から増加した。

S&P500企業のCEOの報酬は24年、前年比で7%増加した。AFL―CIOは労働統計局(BLS)のデータを引用し、昨年民間部門の従業員の給与上昇率は3%だったと指摘した。

スターバックスはSECへの提出書類の中で、同社の典型的な従業員は米国内で働くパートタイムのバリスタだと説明。多くの従業員がパートタイムや柔軟な勤務形態で働いているため、従業員の給与水準の中央値が低下する結果になっていると指摘する。また計算には世界各地で勤務する約36万1000人の従業員が含まれており、約21万人の米国拠点の従業員だけを対象とはしていないという。

同社の従業員の一部は「スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッド」という労働組合を結成し、近年、複数の店舗でストライキを実施している。賃金の引き上げは、彼らの要求の一つだ。

スターバックスにコメントを求めたが、現時点で回答はない。

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