中国とEUが首脳会談、習氏「正しい戦略的選択」促す
香港(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、同国を訪れている欧州連合(EU)首脳に対し、欧州は「正しい戦略的選択」を行い、世界の「安定」のために中国との協力を強化すべきだと述べた。双方は重要な首脳会談の場で、相互の根深い不満に対処している。
習氏は24日午前、北京でコスタ欧州理事会議長、フォンデアライエン欧州委員長と会談した。中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。
中国とEUは深刻な貿易不均衡、ウクライナ紛争における中国のロシアへの継続的な支援、そして最近では中国によるレアアース(希土類)サプライチェーン(供給網)への締め付けをめぐり、相互の緊張と不信が高まる状況にある。今回の首脳会談でも激しい論争が予想されていた。
フォンデアライエン氏は習氏に対し、EUと中国の経済関係が「転換点」に達したと述べた。昨年のEUの対中貿易赤字は3000億ユーロ(約52兆円)だった。
「協力が深まるにつれ、不均衡も拡大した」「二国間関係のバランスを取り戻すことは不可欠だ。(中略)中国と欧州がそれぞれの懸念を認識し、真の解決策を提示することが極めて重要になる」とフォンデアライエン氏は述べた。
当初の2日間の予定から1日に短縮された今回の首脳会談は、表向きには北京とEUの外交関係樹立50周年を祝うためのものだ。
しかし事前の期待感は低く、むしろ双方の亀裂の拡大が明らかになるとも予想されている。それでも数カ月前の時点で、トランプ米大統領による世界的な関税戦争に直面した中国とEUは、関係修復への期待を示唆していた。
中国外務省の発表によると、習氏はコスタ、フォンデアライエン両氏に対し、欧州が現在直面している課題は「中国に由来するものではない」と指摘。また中国政府とEUの間に「根本的な利益相反や地政学的な矛盾は存在しない」と述べたという。
習氏はまた、トランプ氏の貿易戦争には直接言及しなかったものの、中国とEUはともに「多国間主義を支持し、開放性と協調を提唱する建設的な勢力」であると強調した。