トランプ氏、ビヨンセさんの起訴を要求 16億円の民主党支持対価受け取り主張するも根拠なし
(CNN) トランプ米大統領は26日、実際には存在していない事実を根拠に、米人気歌手ビヨンセさんの起訴を求めた。
トランプ氏はSNSで、ビヨンセさんが2024年10月にテキサス州ヒューストンで開かれたイベントで民主党大統領候補カマラ・ハリス氏を支持する見返りに1100万ドル(約16億円)を受け取ったことは違法行為にあたると主張した。しかし、ハリス陣営の選挙活動に関連して、ましてや支持そのものに関して1100万ドルを受け取ったというトランプ氏の主張には全く根拠がない。
連邦選挙委員会の記録には、ハリス陣営からビヨンセさんの制作会社に16万5000ドルの支払があったことが記されており、陣営はこれを「選挙イベント制作費」として計上している。ハリス陣営の広報担当者は昨年、オンラインメディア、デッドラインに対し、有名人の支持者に報酬は支払っていないが、参加に関連する費用を負担することは法律で義務づけられていると述べている。

民主党大統領候補だったカマラ・ハリス氏(左)とビヨンセさん=2024年10月25日、テキサス州ヒューストン/Marco Bello/Reuters
CNNは27日に1100万ドルという数字の証拠を求めたが、ホワイトハウスはすぐには回答しなかった。トランプ氏は2月のインタビューでこの根拠のない数字を持ち出した際、情報源について「誰かが私にあるものを見せてくれた。彼らは彼女に1100万ドルを渡した」と、非常にあいまいな言葉で説明していた。
トランプ氏はこのほかにも、著名な支持者と関係のある団体にハリス陣営が行った支払いについても批判。トランプ氏は、支出記録に不正確な記載があると証拠を示すことなく主張している。さらに、支持に対する支払いを禁じる連邦法は存在していないにもかかわらず、「完全に違法」だとの誤った主張を展開した。
「カマラ氏、そして支持への対価を受け取ったすべての人々は法律を破った。全員起訴されるべきだ!」(トランプ氏)
トランプ氏はこれまで政敵の起訴を繰り返し求めてきた。ハリス氏と著名人の支持に関する26日の投稿は、5月時点から激しさを増している。以前は「大規模な調査」を求めるとしながらも、起訴を明確に言及することはなかった。