ガザ住民、「我々は犬じゃない」 空中投下された支援物資を追いかける屈辱に怒り
ガザに支援物資を空中投下
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区中部のザワイダで28日、空から投下された支援物資の箱を拾おうと、パレスチナ人が殺到した。
多くの人々にとって、この箱に入っていた食料がきょう唯一の食事となる。しかし、空中投下された支援物資を追いかけるしかない状況に、「尊厳を踏みにじられている」との声もあがっている。
「この支援は侮辱だ。われわれは援助物資を追いかけさせられる犬ではない」と、アフマド・ファイズ・ファイヤド氏は語った。「屈辱と不潔の中で死ぬくらいなら、尊厳を持って飢え死にするほうがましだ」
イスラエルによるガザ封鎖で飢餓が深刻化する中、ヨルダンとアラブ首長国連邦(UAE)は週末にかけてガザへの支援物資の空中投下を行った。
「こんなことをする人間に恥はないのか」とファイヤド氏。「支援物資は陸路で運ばれ機関を通して配られるべきだ。人々が尊厳と誇りを持って受け取れるように」
ファイヤド氏は支援物資を受け取らなかったし、受け取るつもりもないと話す。その一方で、UAE赤新月社の印がある箱に人々が殺到した。地面に落ちた箱を拾う群衆の中で銃声が鳴り響き、多くの人が恐怖で逃げ出す様子がCNNの映像に捉えられていた。
ある男性は、小麦粉をなんとか手に入れたと語ったが、家族8人を養うにはとても足りないという。年配の女性は、群衆に押し潰されそうになって食料にたどり着けなかったと話した。
食料を受け取れたことに感謝する声もある一方で、空中投下という方法はさらなる混乱や暴力を招く危険があるとの指摘もある。
国連は、ガザへの支援物資の空中投下は、非常に高コストで、危険を伴うと警告している。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の報道官は先にCNNの取材に対し、「なぜ空中投下を使うのか。何百台ものトラックが境界を越えられるのに。その方がはるかに簡単で、効果的で、迅速で、安価で、安全だ」と述べていた。